Sweet temptation
肌寒さを感じ、毛布の中で身震いをした。
気がつけば跡部が自分の腕の中から逃れようとしていた。
「どうしたんか?」
抜け出しそうだった彼を再び抱き寄せた。
冷えかけていた体に温もりが戻る。
平熱が人よりも少し低めな忍足には子供体温(以前跡部にこう言ったら怒られた)である跡部の温もりは冬の寒い時
期には欠かせないものだ。
「別に…ちょっと喉が乾いたから台所に行こうとしていただけだ」
「せやったら…起こして言うてくれれば俺が取りに行ったんに」
「…気持ち良さそうに寝てたから悪いと思ったんだよ」
ぷいとそっぽを向く跡部に忍足は、自分が気を使われていたのだと気がつく。
「気にせんでえぇんに…」
その跡部の心遣いが嬉しくて、そっと腕の中にいる彼のさらさらのやわらかい髪を撫でた。
跡部はその感触に目を細め、気持ち良さそうに忍足に身を任せた。
「で、喉渇いたんやったら何か持って来ようか?」
そう問うと跡部はしばし沈黙する。
そして顔を上げ、言った。
「俺がお前の分も一緒に持って来てやる」
忍足の腕から抜け出しさっさとベッドから降りた。
「え、景ちゃん!?」
慌てて呼びかける忍足の声を無視し、ドアを開けて出て行ってしまった。
残ったのはベッドには訳がわからず呆然としている忍足だけ。
「…何もって来る気やろ」
その問いに答えるものはこの部屋にはいなかった。
「ほら、よ」
しばらくして部屋に戻ってきた跡部が両手に持って来たお揃いのマグカップからは湯気が天井に向って白い息をはい
ている。
ベッド脇のテーブルに静かに置く。
「どーも」
片方のマグカップの持ち手に手をかけ、そっと持ち上げた。
甘い香りが忍足の鼻をつく。
「ミルクの中になにか入れたん?」
牛乳をそのままあたためてもこんなに甘い香りはしない。
「あぁ…」
ふぅ、とホットミルクに息を吹きかけ冷ます。
マグカップに口を近づけ…ごくり、と。
「……はちみつ。少し入れてみた」
「…あぁ。ホンマや、蜂蜜の味がする」
口に入れると蜂蜜独特の甘味がわかる。
「はぁ、暖まるなぁ。…ありがと」
「別に、牛乳温めて蜂蜜入れただけだ」
跡部は頬を桃色に染めながら蜂蜜入りのホットミルクに口をつけた。
その、濡れた唇が。
あまりにも扇情的で…。
思わず。
唇を重ねる。
はじめは軽く。
次に深く…。
「甘いなぁ、景ちゃん」
「…テメェもだろ」
「景ちゃん自身も甘いんや」
「んだよ、それ」
「そのまんまやよ」
「……もう、一回…//」
忍足の服の袖を引っ張り自らキスを求める。
その手をとり、甲に唇を落とす。
「ん、嫌って言うまでしたるわ」
触れ合う、唇。
甘く、暖かいキス。
蜂蜜の、甘い誘惑。
〜END〜
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●あとがき●
相変わらず色々オカシイ文です;いい加減慣れろよ、自分。
ちなみにこの話の忍跡は同棲設定です。(どうでもいい)
…誰か、私に文才をください。(切実)

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