彼氏自慢









俺の幼馴染には彼氏がいる。

ちなみにその幼馴染ってーのは男だ。

俺の通っている学校では知らない奴は居ないって言うほど有名な奴。

んでその彼氏ってーのもこれまた同じ学校で結構女にモテてたりする。

そんな二人が付き合ってるもんだから隠しようもなく…つーか彼氏がカミングアウト?したって感じなんだけどな。

幼馴染の方のファン(男含む)は泣いて悔しがり、彼氏の方のファン(当然と言うか女ばっか)は笑顔で「頑張ってくだ
さいv」って言ったらしい。

…女って不思議だよな。

まぁとりあえず今、俺が居る所はサロン。

目の前には幼馴染が座っている。

いつもお昼はこの幼馴染、跡部は彼氏の忍足と一緒に食べてるんだけどよ。

どうしてこんな状況になっているかというと…。

























それは今日の朝練終了後。

教室へと向おうとしていた俺を忍足が呼びとめた。

「なぁ景ちゃんのことなんやけど」

「またかよ」

「またかって何や」

「…いや、続けてくれ」

「あんなぁ、昨日景ちゃんに“俺のどこが好きなん?”って聞いてみたんや。そしたらなぁ、“本人を目の前にしてに言
えるわけねぇだろ、バーカ!”って言われたんや」

……。

こいつに跡部絡みで呼びとめられた時、碌なことじゃねぇだろーなとは思ったが…まさかここまで馬鹿な内容だったと
は。

「…で?」

「で、ちょーっと宍戸に聞き出すん協力して貰おうと思ぉてv」

「断わる!」

思わず即答。

だってそうだろ?

何で俺が忍足なんかの為にわざわざ跡部からそんなこと聞きださねぇといけねぇんだよ。

「えー、何でや!」

「うるせぇ!とにかく絶対やらねぇぞ!」

さっさと教室に向おうと踵を返した。

「………チーズサンド」

ポツン、と背後から声が聞えた。

「あーぁ、せっかくお礼にと思ぉて宍戸の好きなデパ地下のチーズサンド買ぅてきたんになぁ?」

忍足が手にぶら下げている袋から見えるパッケージは俺の大好物のチーズサンド。

しかもそれは数量限定で滅多に手に入らないレアもので…。

「残念やなぁ。ま、それやったら別に他の人に頼んで…」

「やります!!やらせてくださいっ!!」

背を向け立ち去ろうとした忍足の肩を掴み思わず言ってしまった。

忍足のその時のしてやったり、というあの笑顔は忘れられないだろう。

























…と言う訳で今、俺はチーズサンドを食いながら跡部と面と向っているわけだ。

「…おい、用があるなら早く言え」


偉そうに(いや、実際俺より偉いが)脚を組んで座る跡部。

ちぇ、昔はもっと可愛かった筈なんだけどな〜…。

「え…っとな、単刀直入に聞くぜ」

ぐ、と拳を強く握り締めて乗り出す。







「お前、忍足のどこが良いんだ…ッ!?」







サロンがシーンと静まり返る。

うぉ!?…ヤベ、声大きかったか?;

「…んな事聞いてどうすんだよ」

明らかに不審そうな目を跡部から向けられる。

まぁいきなりこんなこと聞かれたら普通はこういう反応だよな。

でも後には引けねぇ!!

何故ならチーズサンド、もう食っちまったんだからなっ!!(早)

「何でも良いだろ!今突然気になったんだよ…あぁ、気になったんだ!!」

しどろもどろになっている俺を見、大袈裟に溜息を一つ。

「絶対にお前には教えねぇ」



……。







カチーン!!




「教えないんじゃなくて、忍足に良い所なんかないから言えないだけなんじゃねぇのかよ?」

意地になって挑発してみる。

すると跡部はみるみる顔を真っ赤にさせていく。

「忍足なんかどーせ顔だけだろ!!」

プチン。

おー、何かがどこかで切れる音がしやがった。

「忍足を馬鹿にするんじゃねぇよ!!」

勢い良く机を叩きつける。

あー、俺等注目も的じゃねぇか。






「あのなぁ、アイツは毎朝6時丁度にモーニングコールしてくれるし毎日家が逆方向なのに迎えに来てくれるし、道歩
く時は必ず道路側に立って歩いてくれるし、料理の腕前だってウチのシェフ並だし家事は一通りこなせるんだぜ!?
それからキスする時も俺の首が辛くないようにって屈んでくれてるし…夜だっていつも俺に気を使ってシテくれてるお
かげでそんなに痛くねぇしそれに…ッ!!」







……えーっと何コレ、俺、惚気られてるのか!?

つーか何だかヤバイ話になってきてませんか?;

キスとか…夜ってなんだよっ!;

…うわ、ヤベー…想像しちまっただろ!///

そんな俺の心境を知ってか知らずか(多分後者)いまだ跡部は喋り続けている。





「とにかくっ!!顔だけなんてフザケたこと言うんじゃねぇよ!!俺はアイツの全部が大好きなんだっ!!忍足は俺
のっ、自慢の恋人だっっっ!!!」






……うっわ〜〜〜〜〜。言っちまった。


つーかコイツ…。










「なぁ…」

「ぁんだよっ!」

「…今の状況、わかってんのか?」

「………え?」

我に返った跡部。

覚えているだろうか。

ここがサロンだった事。

俺達のほかにも大勢の生徒が居た事を。

「ッ、あ……その…っ///」

ようやく状況がわかったらしい。

顔を真っ赤にして慌てて両手で口を塞ぐがもう遅い。

女子は真っ赤になってキャーキャーと何故か嬉しそうに騒いでいるし、多数の男子は泣き崩れているか屍と化してい
るかだ。(跡部信者)

「っ、今聞いたこと全部忘れろっ!!///」

「えー?それは出来ひんわv」

「「……っ!?;」」

うわぁ!?

いつの間に忍足がここに!?;



「景ちゃんが俺のことそういう風に思ぉてくれとったなんてなぁv」

「う、うるせぇよ!///」

「で、本当なんやろ?」

「…俺は嘘なんかつかねぇよ///」

「ん、ありがとーなぁv/」















おいおいおいおいっ!?


コイツ等俺やほかの生徒の存在忘れてねぇ!?

……あ、キスしやがった。

跡部、真っ赤になりながらもしっかり忍足に抱きついてるしな。

…可愛いじゃねぇか///




っておい!

何で俺はときめいてるんだよ!!

つーかなんだ?

俺はやっぱり惚気られたんだよな。

ってか当て付けかコノヤロウ。

…まぁ、良いか。

チーズサンド美味かったしv

じゃ、お二人さんごゆっくり〜〜?







色んな意味で、ごちそーさまでした。








〜END〜


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●あとがき●

久々(?)のお題更新です。
何故このお題シリーズはメインの二人(CP)以外のキャラ視点が多いんでしょう?(知るか)
まぁ、書きやすいって言ったら書きやすいです。
宍戸さんはすっごく書きやすいキャラなんで色々とまた出したいなぁv
宍跡でもいいし★(おい)