Drizzle
ある霧のような雨が降った日の土曜日…。
淳は今日発売したばかりの小説の新刊を買いに本屋に立ち寄った。
う〜ん…。さっきから視線を感じるんだけど……気のせいか?
それほど気にすることもなく、淳は目的の小説を買って、そのまま本屋を後にし……ようとした。
レジを終え、出口に向おうとした淳の腕を掴む一本の腕…。
その腕の先を視線でたどって見ると、そこには…。
「やあ。久しぶりだね、木更津君v」
「ふ…じ…くん?」
「こんにちは」
淳の目の前でにっこりと笑っているのは裕太の兄であり、青学No.2プレイヤーである不二周助。
「なんでここに?」
「ほら、今日雨が降っているでしょ?大降りじゃないけど…だから部活が無かったんだ。で、暇だから本屋に来てみた
ら君を見つけてねv」
なるほど…先ほどの視線はこの人か…。
「で、なんの用?」
別に何も用がないならわざわざ腕まで掴んで引きとめないよね?
「ねぇ、この後なにか予定ある?」
「?別に何も予定はなかったけど…。」
「だったら僕とデートしない?」
はあっ!?
この男は何を言いだすんだ!?
デート!?
誰と誰が…?
「もちろん木更津君と僕がだよv」
…僕、何も口に出していないよね?
心を読まれたッ!?
何者なんだ!?不二周助!!
「ふふっ。さっきから百面相してるよ?」
カワイイなぁv
なんて言っているよ…。
僕は男なんだから男の君に『カワイイ』言われても嬉しくもなんともないんだけどなぁ…。
「で、さっきの返事は?」
不二は微笑みながら淳を見つめる。
「……なんで僕なんだ?」
君に近づいてくる女の子はいっぱいいるだろう?
そんな疑問を不二にぶつけてみる。
不二は「ああ、そんな事。」と言って笑う。
「君より魅力的な女の子なんていないと思うけどなぁ…。」
不二の片手が淳の頬に触れる。
ああ…、見掛けに寄らず男らしい手なんだなぁ…。
そんな事を考えていると、目の前には不二の顔。
そのブルーの瞳が淳に向けられている。
更に近づく不二の顔…。
その瞬間……
唇に感じた柔らかい感触…。
「木更津君?」
その声で淳はふと我に帰る。
えっと…………………
もしかして今……
キスされた!?
気づいた瞬間、淳の顔が真っ赤に染まる。
「顔、真っ赤だよ?」
「なっ…!?」
だってここはまだ本屋の中だぞ!?
なんでこんなところでっ…!!
真っ赤になって俯く淳。
そんな淳を見て相変わらず微笑んでいる不二。
周囲の好奇の視線…。
もう耐えられないっ!!
淳はそのまま猛ダッシュで店を去って行った。
聖ルドルフの寮に着いた淳はそのまま自分の部屋まで走っていった。
幸い、同室である柳沢は出かけていて居なかった。
淳は自分のベッドに倒れこんだ。
まだ心臓がバクバクいっている…。
不二にキスされたって分かった時、嫌ではなかった…。
むしろ………「わ゛―――――――――――
っ!!(汗)」
何を考えたんだ、僕はっ!
淳は首を思いっきり振って否定する。
「もう忘れよう。」
自分に言い聞かせるように言ってベッドの下に降りて座り買って来た小説を開く。
「木更津君って結構足速いんだね」
部屋の入り口の方から聞こえて来た声に驚いて見る。
「ふ…不二君!?」
なんでここにいるんだ!?
ってかどうやって…?
「木更津君、傘忘れていったよね?」
そういえば…雨なんて降っている事も忘れて猛ダッシュで帰ってきたんだ…。
ふと自分の服を見ると、霧雨だったにもかかわらず結構濡れていた。
「ああ、傘は寮の入り口の傘立てにさしておいたから…。」
「あ…ありがとう。」
とりあえずお礼を言っておく。
暫しの沈黙…。
んで、不二君はいつまでいるんだろう?
そう考えていると
「木更津君…」
不二は一歩一歩近づいて来た。
淳は金縛りにあったように動くこともできず不二は淳の前に立つ。
「さっきのキス…嫌じゃなかったでしょ」
疑問じゃなくって確認。
そんな感じの言葉。
「……」
黙っている淳に不二は更に…。
「キス…どうだった?」
「どうって…」
返答に困る淳を見て不二は「ああ」と思い付いたように言う。
「ファーストキス…貰っちゃったのかな?」
「っ!!」
図星を当てられて先ほどのように赤く染まる淳。
「やっぱりカワイイ」
ああ…、さっきまで嫌だった言葉…。
なのに、なんだか…。
「もう一度聞くよ?」
不二の腕が淳の身体を包み込むように抱きしめる。
雨に濡れたせいで少し冷たくなった身体が不二の熱を求める。
そして触れ合う唇…。
「嫌だった?」
「……嫌じゃない」
小さく呟いたはずの言葉は静かな部屋では何故か大きく聞こえる。
その言葉を聞いて不二は微笑む。
「じゃあ…僕の事好き?」
「意地悪だね……不二は」
もう分かっているはずなのに…わざわざ聞く?
くすりと笑う淳に不二は抱きしめてる力を強くする。
そして、淳の耳元で囁いた…。
「淳……愛してる」
「僕も…不二のこと……」
そのまま再びそっとキスをする。
外では、霧雨が徐々に薄く止んでいき青空が広がった。
全てを包み込むような霧雨は二人を結び付けた…。
〜END〜
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●あとがき●
初っ端からフジアツです。
マイナーにもほどがあり…ますよね?;
でも、異界はこのCP結構好きなんですv
好きな色がベージュコンビ!!…あ、それはサエさんもだな。
ギャグなのか甘いのか…ハッキリしない文章ですみませんでした。

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