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秋風の唄 お昼休みも、もう終わるような時刻に一人屋上で寝転がっている俺。 目の前に広がる青空がとても綺麗だ。 雲がワタアメの様に美味しそうだ。 いや、ワタアメ程に甘ったるいお菓子は好まないんだけどね。 チョコレートもブラックが一番好きかな。 …って、どうでも良いよね。 5限目の授業は嫌いな教科である英語。 嫌いなのであって不得意、と言うわけではないのだが…。 これでも一応英語のテストでは80点台は毎回キープしているし。 発音だって先生に褒められる程だ。 ただ、どうも今は勉強をする気分ではない。 なんだか…こう、のんびりと空を眺めていたい気分だ。 教室で異国語をぼんやりと聞いているよりも、外で風に当たっていたい。 とにかくはっきり言ってこのまま教室に戻る気はない。 「…サボるか……?」 そう考えて俺は目を瞑った。 風がそよそよと吹いて、髪を揺らす。 吹いている風は、秋だからか…少し冷たい。 それでも太陽の光が暖かいからか、ちょうどいい温度に感じた。 暫らくそうしていると、廊下のざわめきが段々と少なくなっていったように感じた。 キーンコーンカーンコーン… 下の方から聞こえて来る聞きなれた音。 いつもならばもう教室で教科書とノートを開いている頃。 俺はそんな事は気にせず目を瞑り続ける。 その音を聞いて数分が経った後。 ガチャ… 「サエ…いる――?」 屋上の入り口から聞こえてくる声。 「淳…」 身体を起こし入り口の方へ身体を向けた。 黒い綺麗な髪を太陽の光に輝かせ、口元に微笑を浮かべている恋人の姿が視界に入った。 「やっぱりここにいた…。先生、怒ってるよ?」 そう言いながら一歩一歩近づいてくる淳。 楽しそうに、くすくすと笑っている声が聞こえた。 「だって、英語嫌いだし?」 「そんな事言って…この前の英語のテスト良かったくせに」 「不得意と嫌いは違うんだよ」 「なにそれ」 くすくす笑いながら俺の隣に腰をおろした。 そしてそのままごろんと寝転がった。 「気持ちいいね…。昼寝にはピッタリじゃない?」 淳は首を動かし視線だけを俺に向けて微笑んだ。 その淳の言動に少し驚き、聞いてみる。 「…呼びに来たんじゃないの?」 不思議そうな顔で尋ねると淳は顔を俺の方に向けてまた、微笑んだ。 「探して来い、とは言われたけど連れて来いとは言われてないよ」 「淳…それ屁理屈」 「それとも、あんなつまらない授業に連れ戻して欲しいの?」 「冗談。お断りします」 俺も再び寝転がる。 そして、何気無く隣にいる淳を見つめる。 時折吹き抜ける風が唄をうったているかの様に、耳に届く。 その風が、隣にいる淳の漆黒の髪をさらさらと踊らせる。 太陽が眩しいのか淳は眼を細めている。 口元には、いつもの笑みを浮かべている。 白い肌は太陽の光りを受け輝いて見えて……。 ―――すごく美しい…。 こんな綺麗な、可愛い人が俺の恋人なんだ。 改めてそう感じた。 今更の事なのに、何故かそれが嬉しく感じた。 思わず、ずっと見つめていた。 俺の視線に気がついたのか淳は俺と視線を交わす。 俺の手と淳の手が重なり合う。 暖かい、温かい、アタタカイ…。 「たまには…サボりもいいな」 「…そうだね」 お互いに顔を見合わせて笑いあう。 もうすぐ、授業の終了を知らせる鐘が鳴ろうとしてる。 しかし、俺らにはそんな事は関係ない…。 「…このまま6限目もサボらないか?」 「偶然だね。僕も同じこと考えてた」 ある秋の、午後のひととき。 終 ------------------------------------------------------- ●あとがき 雲雀雪乃様への16000hitお礼ですv 遅くなってスミマセン…。 私の書きやすいもので良い、との事でした。 なので私の趣味でサエアツ…しかもまだ淳が転校していない頃になってしまいました; こんな文章で宜しければ貰ってやって下さいませ。 戻 |